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セイヨウミツバチのカースト分化と産卵個体化

  • 2010/4/6 

Summary

セイヨウミツバチのメスは幼虫期に摂食する餌の種類によって,女王とワーカーに分化する。

 セイヨウミツバチのメスは幼虫期に摂食する餌の種類によって,女王(queen)とワーカー(worker)に分化する。メス幼虫が糖分・タンパク質の豊富なローヤルゼリー(royal jelly)を摂取すると女王個体に分化し,栄養価の低いワーカーゼリー(worker jelly)を摂取するとワーカー個体に分化する。女王は産卵に特殊化した個体で,ワーカーは育児・巣の防衛・採餌などを行う。ワーカーは通常,不妊個体でその卵巣は未発達であるが,女王が不在になると,卵巣を発達させ,産卵個体になる(egg laying worker)。本稿(「比較生理生化学」Vol.27 No.1: 3-9, 2010)では,セイヨウミツバチを中心に,社会性昆虫における繁殖制御メカニズムを紹介するとともに,その内分泌メカニズムの進化についても議論した。

 金沢工業大学人間情報システム研究所 佐々木 謙

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.27 No.1 表紙より)

 

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