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遺伝的肥満マウスob/obと培養脂肪細胞3T3-L1

  • 2009/5/11 

Summary

培養脂肪細胞3T3-L1へのの投与で脂肪細胞分化と脂肪蓄積を抑制するレスベラトロールを遺伝的肥満マウスob/obに投与すると,どうなるのであろうか?

 遺伝的肥満マウスob/obはレプチン遺伝子に変異があるので,正常な機能(食欲抑制,エネルギー消費増大効果等)を有するレプチンを産生することができない。このため,高度肥満を呈し,糖尿病,高血圧,高脂血症等が重複するいわゆるメタボリック症候群を発症する。図中のマウスは8週齢であり,ob/obマウスの体重は45g程(左図),また通常のWTマウス(右図)のそれは25g前後である。ob/obマウスの脂肪組織ではPAI-1が高発現し分泌されるため,血中PAI-1値が高く同じ週齢の通常マウスに比べ4〜5倍となる。またその他レジスチン等の血中アディポカイン値も高くなる。

 培養脂肪細胞3T3-L1(下図,共にDay 6)では,レスベラトロール(100μM,72h(Day 3〜Day 6))の添加により脂肪細胞分化と脂肪の蓄積が抑制され,レジスチン,PAI-1等のアディポカイン発現も抑制された。ob/obマウスにレスベラトロールを投与すると,果たしてどうなるのであろうか?

浜松医科大学・医学部・生理学第二講座

井原勇人

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.26 No.2 表紙より)

 

 

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