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ベニツチカメムシの採餌ナビゲーション

  • 2008/6/8 

Summary

ベニツチカメムシは多様な空間情報を処理・記憶することで採餌ナビゲーションを成し遂げている。

 図は,種子を運搬するベニツチカメムシとその採餌の歩行軌跡(「比較生理生化学」Vol.25 No.2 p58-67 参照)。アリやミツバチなど真社会性のハチ目昆虫と同様に,ベニツチカメムシも多様な空間情報を処理・記憶することで採餌ナビゲーションを成し遂げている。餌となる種子を幼虫に給餌するため,雌親は記憶した採餌地点に向かって複雑な軌跡を描きながら出巣し(実線),種子を得ると真っすぐに帰巣する(点線)。往路において雌親は太陽やキャノピーの情報を用いて自らの移動方向と移動距離をモニターしており,移動経路を積算することで直線的な帰巣を可能にしている。

浜松医科大学医学部総合人間科学講座生物学部門 弘中満太郎

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.25 No.2 表紙より)

 

 

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