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ミツバチのジョンストン器官の中枢投射

  • 2007/9/21 

Summary

ミツバチのダンスの言語解読機構解明のための第一歩としてジョンストン器官の一次感覚中枢の構造を解析した。

 良い蜜源を探し当てたミツバチは巣内に戻り,尻振りダンスによって仲間に蜜源の場所を知らせることにより, 集団で効率の良い採蜜を行う(図左上)。この行動はフォンフリッシュの発見以来,社会性昆虫の最も洗練されたコミュニケーションの一つとして注目されてきた。彼女らはこのダンスからどのようにして蜜源の場所を解読しているのか?この疑問は未だ謎に包まれたままである。

 最近の行動学的研究により, ダンスで生じた空気の振動が蜜源への方向と距離を符号化していることがわかっている。昆虫の振動を受容する聴覚器官は触角梗節内にあるジョンストン器官である。 我々はミツバチのダンスの言語解読機構解明のための第一歩としてジョンストン器官の一次感覚中枢の構造を解析した。ジョンストンは3つの感覚ニューロングループ(前側(青),腹側(緑),背側(マゼンタ))からなる(図右上)。これらの感覚線維は,脳内で3つの枝に分離し,広汎な投射パターンを示す(図左下)。前大脳後葉(四角)では3グループ由来の感覚繊維が異なる領域に終末する細胞体位置依存的組織化が顕著にみられ,さながらチューリップの花弁様の様相を呈している(図右下)。
 SEM写真は福岡大学理学部准教授伊東綱男氏のご好意により提供して頂いた。

福岡大学理学部地球圏科学科 藍 浩之 

 

(出典: 学会誌「比較生理生化学」Vol.24 No.3 表紙より) 

 

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