学会組織 幹事会・委員会報告

2008年第1回幹事会

  • 2008/4/8 


  • 日時:2008年3月29日 (金) 13:00〜18:00
  • 場所:福岡女子大学ゼミナール室(図書館1階)
  • 出席者:小泉修会長,神崎亮平副会長,深田吉孝副会長,中川秀樹・山脇兆史・田中浩輔・藍浩之・美濃部純子(事務局),針山孝彦・岩崎雅行・伊藤悦朗・嬉正勝(各幹事),曽我部正博(委員)

報告事項

1. 会長および事務局から

(1) 学会の今後の方針について(小泉会長)

 学会の今後の方針について説明があった。その中で,今年は,第30回大会時に大幹事会を開催する予定であることが報告された。

(2) 出版事業報告 (出版企画委員会関連、小泉会長)

 日本比較生理生化学会出版事業について現状説明があった。

(3) 名誉会員の総会における表彰(小泉会長)

 既に承認決定済みの名誉会員の先生方(森田弘道氏,高橋景一氏,山口恒夫氏,冨永佳也氏)の表彰を第30回大会時に行う予定であることが報告された。旅費の支給は行わないため,本人に郵送か,3年以内に開かれる学会での手渡しのどちらを希望するかを尋ねることとした。

(4) 国際会議の準備状況(小泉会長、曽我部国際委員会委員)

 曽我部国際委員会委員より国際委員会の現状説明があった。また,組織委員会を第30回大会で開催したい旨報告があった。

(5) 大会予定、札幌(H20)、大阪(H21,合同)、福岡(H22) (小泉会長)

 平成20,21,22年度の年次大会の開催予定について報告があった。21年度は,比較内分泌学会との合同大会であることが確認された。

(6) 新体制になって、庶務幹事が行ってきたこと(中川庶務幹事)

 事務局が行ってきた業務について報告があった。

(7) 第30回大会準備状況報告(高畑大会委員長:代理中川庶務幹事)

 平成20年7月19日(土),20日(日),21日(月、祝)に北海道大学,理学部(札幌市北区北10条西8丁目)で開催され,既に学会ホームページに第2報がアップされていること,近日中に同様の情報が学会MLによって会員に配信予定であることが報告された。当初の大会本部案通り学生会員の参加費を無料にすることとし,その旨大会長に伝え承認を得た後,第2報を修正することとした。。

(8) 会計状況報告(山脇会計幹事)

 2007年度会計決算報告と2007年度残高内訳の報告がなされた。2007年度決算は例年より赤字が増加しており,その主な原因はCBPアブストラクト掲載費の値上げやホームページ管理費,J-STAGE登録作業料などの支出が増えたことである,との説明がなされた。

 

2. 将来計画(伊藤将来計画担当幹事)

(1) Who’s Who

 評議員,各種委員より,会員66人の研究者と動物の写真113種のデータを送って頂いた。現在下記ページの動物の分類,名前(一般名)からそれらの写真をたどって研究者を探せるようになり,テスト運用中として機能している。

http://wiki.jscpb.org/

 多くの作業時間がかかり,業者(CogniTom Academic Design)との契約範囲を超えている。今後は,どの程度の予算がさらに必要なのか?そしてそれでも足りない場合は,どこまで将来計画委員会として仕上げて行くのか?を,ネットワーク委員会と検討することになった。 

(2) 若手の会との関係

 第30回大会初日7月19日(土)18時30分頃から若手の会を開催予定。将来計画委員会としては,若手の会の幹事と密に連絡を取りながら,その集まりに多くの若手の会員に集まっていただくように努めることにする。なお今後も,将来計画委員会としてはサポートはするものの,あくまでも若手の会の自主性を重んじることとする。

(3) 動物の生きるしくみ事典

 「神経の起源と進化」ならびに「学習のしくみ:とくにアメフラシの場合」を例に説明があった。ホームページ公開までに6テーマを追加する(都合8テーマとする)予定である。

 

3. 庶務幹事(会員係)(田中庶務幹事)

(1) 会員状況

 3月27日現在で,正会員数492名(一般417名,学生75名),賛助会員11団体,会誌購読4団体。また,あわせて2007年末退会者,あて先不明者,長期滞納者に関する報告がなされた。会員数の減少に合わせて,学会誌である比較生理生化学の発行部数を調整する方向で検討することにした。

 

4. 会計(賛助会員)(藍会計幹事)

(1) 海外送金手数料について

 インドに本社を持つ英文校閲の会社,Crimson Interactiveに対する請求書が出され,海外送金手数料を先方に確認し,6500円としたとの報告がなされた。

(2) 海外支払い通貨について

 Crimson Interactiveに対する海外支払い通貨は円としたと報告がなされた。今後も海外の賛助会員に対してはこの通貨を円とすることが確認された。

(3) 英文ガイドライン原案について

 賛助会員の申請申込書の英文原案が提案された。審議の結果,賛助会員の会費については岡田会計幹事(予定)に原案の作成を依頼することとした。

 

5. 編集、日本光生物学協会(針山編集幹事)

(1) 日本光生物学協会の、国際会議参加若手支援などの報告

 日本光生物学協会の第4回AOCP参加若手支援プログラムの紹介と該当会員への周知の依頼があった。

 

6.  ネットワーク(竹内ネットワーク担当幹事:代理中川庶務幹事)

(1) 学会ホームページについて

 2007年10月に第一次リニューアル版HPの一般公開が開始されたこと,その後CogniTom Academic Designとネットワーク委員会による「会員Who’s Who」,Web版「動物の生きるしくみ事典」の登載を含む第二次HPリニューアル作業が進行中であることが報告された。2008年8月に第二次リニューアル版HPを一般公開予定である。

(2) 学会誌「比較生理生化学」PDF版のオンライン提供について

 2007年10月にJ-STAGE版公開とほぼ同期して学会ホームページからの学会誌「比較生理生化学」PDF版(約3MBの全文PDFファイル)ダウンロードサービスを開始したこと,ダウンロード用のIDとパスワードは,JSCPB-MLで2007年10月10日に配布済みであり,2008年2月現在,第24巻1〜4号のみダウンロード可能であることが報告された。

(3) アクセス統計資料について

 J-STAGEで,毎月ジャーナルがどれだけアクセスされているかを示すアクセス統計資料について報告された。Google利用申請後の2007年10月からアクセス数と全文PDFアクセス数が増加していること,国別アクセス数の分布が報告された。

 

7.行事(吉村行事担当幹事:代理中川庶務幹事)

(1) 3学会合同シンポジウムの演者について

 比較免疫学会が2008年8月25日(月)〜27日(水)に東京医科歯科大学で行われる。3学会合同シンポジウムが“地球環境問題を考える—比較生物学からの警鐘—”のテーマで開かれるとの連絡があり,行事委員会で検討した結果,沼田英治氏(大阪市大),黒川信氏(首都大)の2名を推薦した。司会は吉村建二郎(筑波大)が担当する。

(2) 学会本部公募シンポジウムについて

 成瀬恵治氏(岡山大),森島圭祐氏(東京農大)をオーガナイザーとして,「生物学と工学の接点」という題目で行われる。

審議事項

1.会長及び事務局から

(1) 学会行事スケジュールの確認(中川庶務幹事)

 学会行事スケジュールの説明があり,問題点があれば庶務幹事まで報告を御願いしたいとの依頼があった。配布資料のICCPBの開催箇所と月を名古屋,6月に訂正した。

(2) 集中講義実習コース(小泉会長)

 小泉会長から針山編集幹事の提案に関する説明がなされた。学会出版事業で出版される書籍を教科書として集中講義実習コース,公開講義等に使用し,効率的な販売,広報活動を行うことの必要性が説明された。これを受け,小泉会長と針山編集幹事が目的実現のための方策を検討することとなった。

(3) 大会のAbstractのCBPへの掲載の件(小泉会長)

 小泉会長より,昨年度大会のAbstractがまだ届いておらず,それはElsevierの問題であるとの報告があった。また,掲載を決定した当時とは電子化等の事情の大きな変化があり,経費削減の面からもCBPへの掲載の是非について検討の必要があるとの提案がなされた。これを受けて,学会本部事務局で,早急に幾つかの選択肢とメリット,デメリットを明示したアンケートを作成し,会員の意見を聴取することになった。

(4) 会計幹事(賛助会員)の追加(小泉会長)

 賛助会員担当の会計幹事を岡田二郎氏(長崎大学)に,会計監査を山下茂樹氏(九州大学)に委嘱したいとの提案があり,承認された。通信評議員会で承認を求めることとした。引き継ぎ事項に,以下の事項を含める。学会HP上に賛助会員の会社HPへのリンクを貼る権利を提供する見返りとして(現在は無料でサービスしているが),賛助会費の増額を検討することになった。曽我部前会長より,1万円/年のオプションプランが提案された。

(5) 合同大会への支援(小泉)

 平成21年は,比較内分泌学会との合同大会が大阪市立大学の沼田,寺北,志賀,小柳会員らのお世話で行われるが,合同大会のため例年より学会の経済的援助が必要と思われることが小泉会長より説明された。通常とは異なるので,そのようなことは必要との理解は得たが,評議員会の理解を得るためには,具体的な根拠なども出して欲しいとの意見もあった。

 

2. 庶務幹事(会員係)(田中庶務幹事) 

(1) 長期会費滞納会員について

 長期会費滞納会員の扱いについて審議依頼があった。審議の結果,田中庶務幹事に判断をまかせることとし,ある年限を越えたものには,退会勧告をすることとした。

(2) 名簿発行について

 名前と所属からなる冊子体の名簿作成に関する承認依頼があった。審議の結果,掲載可否のアンケートに回答の無い会員も名簿に掲載するという方針が承認された。HPにおける会員情報の利用方法には,多くの問題点があるので,今後の課題とするとの会長提案が承認された。

 

3. 副会長(神崎副会長) 

(1) 本学会と,理研BSI神経情報基盤センター (NIJC) との相互協力の可能性について

 理研BSI神経情報基盤センター (NIJC) は,国際ニューロインフォマティクス統合機構 (INCF) の日本国内のニューロインフォマティクス活動の拠点 (Japan Node) として活動している。NIJCでは,国内のニューロインフォマティクス活動のサイト (NI Platform) の紹介や,INCF が今後提供する標準技術の情報やツール,理研BSIや他の研究グループと協力して開発する NI 技術,ツールの提供を行なっている。そこで,これらの活動の具体的例を幾つか説明の後,本学会とNIJCとの協力について,可能性・有効性などについての審議依頼が出された。
 審議の結果,本学会HPとのリンクを張ることが承認され,本学会HPの“Who’s Who”や「動物の生きるしくみ事典」を担当する将来計画担当と相互協力し,データベース化について構想を練っていくこととした。

 

4. 編集、日本光生物学協会(針山編集幹事)

(1) 比較生理生化学の査読制導入の提案

 比較生理生化学誌の査読の制度化検討を始めたいとの提案がなされ,審議の結果承認された。これを受け,編集委員会を中心に,採用・不採用の通知の様式制定,レフリー選定方法の検討など具体的な活動を始めることとした。

5.ネットワーク(竹内ネットワーク担当幹事:代理中川庶務幹事)

(1) 学会ホームページと学会誌「比較生理生化学」PDF版オンライン提供の維持費について

 Wikiシステムを用いた「会員Who’s Who」とWeb版「動物の生きるしくみ事典」の作製,およびPDF版「比較生理生化学」ダウンロードサービスなどに関して作業量・データ量が当初予定より大幅に増えたため,初期投資50万円+2年目の年間サポート17万円の予算では納まりきらない状況である。そこで,今後もWeb版「動物の生きるしくみ事典」の作製を円滑に進めるため,現在のサポート契約(年間17万円)を1ランクアップ(年間22万円)して,かつ,2-3年の複数年契約(支払いは1年毎)に変更したいので,その是非を審議願いたいとの依頼がネットワーク担当幹事より出された。

 審議の結果,認める方針ではあるが,変更の具体的な根拠,その改善点等の詳細がわからないと判断の下しようがないとの意見が出された。それを受けて,竹内ネットワーク担当幹事,伊藤,志賀将来計画担当幹事の3幹事により,この点を詳細に検討し,決定を下し,必要に応じて2008年度予算に組み込むことが承認された。

(2) 学会ホームページのバナー広告募集について 

  昨年,曽我部正博前会長からHP上に賛助会員の会社HPへリンクを張ることで1万円/年の費用を追加するという賛助会員オプションが提案され,試行的にHP第一次リニューアルでリンクを張っている(現在は無料サービス)。学会HPでのバナー広告(有料)を制度化すれば,年間5〜30万円程度の収入アップに繋がるので,ぜひ検討して欲しいとの審議依頼がネットワーク担当幹事より出された。

 審議の結果,岡田会計幹事に賛助会員の広告料金体系について原案作成を依頼し,第30回大会時の幹事会で承認を得ることとした。また,賛助会員の会費に関する細則の記載については本部事務局で変更について同幹事会までに検討することとした。

 

その他 

1. 日本学術振興会の学術システム研究センターの状況や動向紹介(深田副会長)

(1) 科研費審査員候補者 情報登録 の充実

(2) 科研費審査員 選定 検証

(3) 平成21年度 科研費 時限付き分科細目の提案

  学術システム研究センターの業務について以下の3点について紹介された。学術システム研究センターは,日本学術振興会(学振と略)のプログラムオフィサー(PO)制度として平成15年7月に設置された。生物系科学専門調査班研究員(PO:9名)の業務には,関連研究分野の学術研究動向の調査・研究と,学振事業の審査・評価に関する活動が含まれている。

 [1]審査・評価業務では,科学研究費補助金(科研費)ならびに学振特別研究員(特研)の審査員の選定・割り振りと審査結果の検証業務が大きな位置を占める(POは審査そのものには関与しない)。科研費と特研の審査員はいずれも,平成16年度から整備されはじめた審査委員候補者データベースを基に選定されており,毎年,次の3項目に該当する研究者を登録してデータベースの充実を図っている。(1)学協会から情報提供のあった者,(2)学術システム研究センターが必要と認めた者,(3)ある一定の研究種目の科学研究費補助金の代表者。学術システム研究センターにおいて適切な審査員を選定するためには,各学協会に関連する多くの研究分野から,審査員としてふさわしい研究者をもれなくデータベースに登録することが必須である。また,審査員の所属機関の重複は厳しく制限されているため,各研究分野において多くの研究機関からの候補者が登録されている事が望ましい。学協会からの審査員候補者の情報提供については,本年2月からは締め切りを設けずに随時受け付けているので,本学会からも候補者情報を積極的に提供すべきである(審査員の推薦という言葉は使われていない事に注意)。特に若い年齢層(30歳台でも可)と女性の研究者の登録情報が充分とは言い難い状況である。なお,データベースは非公開のため,既に登録されている可能性のある研究者の情報を重複して提供しても差し支えない(提出の様式は,学振HPの2月1日付News「審査委員候補者に関する学協会からの情報募集について」参照)。

 [2]科研費審査結果の検証業務においては,全審査員の評点・コメントを詳しく解析している。具体的には,評点分布の偏り,審査員間の評点の相関,突出した評点の原因調査,コメントの有無,コメントの妥当性,などの調査をもとに,審査員一人一人の審査の公平性と的確性を様々な観点から検証し,審査グループの見直しや改変を含めて翌年度の審査体制を順次改善している。

 [3]科学研究費では,学術研究の動向に柔軟に対応する方策の一つとして「時限付き分科細目」(基盤研究C)が設定されている。新しい「時限付き分科細目」は,日本学術会議や科学技術学術審議会の審査部会から提案されるが,学術システム研究センターからもルートがあるので,新しい「時限付き分科細目」の提案がある場合,(平成22年度公募分の提案は本年9月頃までに)専門分野の近いプログラムオフィサーに相談されると良い。(文責 深田吉孝)

 

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